お客様から「急ぎの仕事があるのに、突然パソコンの電源が入らなくなり、とても困っている!」とのご連絡がありました。当日修理が可能かどうかを確認するため、急いで起動しないパソコンをお持ちいただくことになりました。
お持ち込みいただいたのは、日本でもよく見られる15.6インチの一般的なビジネスノートパソコンでした。お話を伺うと、パソコンは毎朝同じ時間に使用しているそうですが、今日は予兆もなく全く電源が入らなくなったとのことです。
実は、こうした突然の電源トラブルは「簡単に直る場合が多い」のです。何らかの理由で電源が入らなくなっただけで、パソコン本体が壊れているわけではありません。原因として考えられるのは、OSの問題ではなく、OSを動かすためのCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)というメモリのトラブルです。このCMOSをリセットすることで、意外にも簡単に直ることがあります。
作業の流れ:
- バッテリーの取り外しとACアダプターの交換
まずは、パソコンからバッテリーを外し、別のACアダプターを接続して電源を入れてみます。 - CMOSクリア
もしACアダプター交換で直らない場合は、CMOSクリアを試みます。
今回は、ACアダプターを交換したところ、すぐに電源が入りパソコンが起動しました。テスターで確認したところ、故障の原因はACアダプターであることが判明しました。幸い、お店にお客様のパソコンに適合するACアダプターが在庫していたため、交換してその場で修理を完了できました。
ACアダプターが原因であれば比較的簡単に解決できますが、個人では予備のACアダプターを持っていないことが多く、検証が難しいこともあります。万が一、ACアダプターの交換でも直らなければ、CMOSクリアや最悪の場合、マザーボード交換やデータ救出など大掛かりな修理が必要になる可能性もあります。
今回は原因がはっきりし、無事にその日のうちに修理が完了したため、お客様も笑顔でお帰りになられました。