先日、熊本市内のある病院でお話をする機会がありまして、こんなご質問をいただきました。
「ウイルスソフトはカスペルスキーとF-Secure、両方入れてるから大丈夫よね?」と。
これ、よくあるご相談なのですが、実はウイルス対策ソフトは1つだけで十分なんです。複数入れると、お互いが邪魔をし合って、かえってパソコンの動きが悪くなったり、誤動作を起こすことがあります。
その場では「Windows10をご使用であれば、基本的な対策はされています。ただし、不審なメールの添付ファイルは開かないように気をつけてくださいね」とお伝えしました。
さて、今回話題の身代金ウイルスの名前は「WannaCrypt(ワナ・クリプト)」といいます。
これは「SMBv1(エスエムビーブイワン)」という古い通信機能の弱点を狙って感染するウイルスです。
少し専門的になりますが、このSMBv1はWindowsXPやVistaなど、古いWindowsに使われていた技術です。
今のWindows10では、マイクロソフトがこの問題に対する更新プログラムをすでに出しており、きちんとWindows Updateをしていれば感染しません。
大事なのは「インターネットの種類(たとえばデザリングやLTEなど)」に関係なく感染するという点です。
そして、たとえウイルス対策ソフトを入れていても、Windows本体の更新をしていなければ感染のリスクはあります。
ですので、以下のことに気をつけてくださいね。
- 不審なメールの添付ファイルは開かない
- 見知らぬリンクをクリックしない
- 「無料で映画が見れる」「無料で本が読める」といったサイトに注意
- Windowsの更新をこまめに行う(自動更新がオンになっていれば安心です)
テレビやニュースなどで不安をあおる内容が流れることもありますが、ふつうに使っている方は、まず感染することはありません。
「心配だから新しいウイルスソフトを買った」とか、「新しいパソコンに買い替えた」なんて慌てなくて大丈夫です。