※この記事は2018年に3回に分けて書いたものを、2026年4月に1本にまとめてリライトしました。
長年お付き合いのあるお客様、Uさんから「毎月の支払いが高いので確認してほしい」というご依頼をいただきました。毎月NTTに約20,000円を支払っているとのことです。
Uさんは数年前に脳梗塞で倒れ、入院生活を送っていました。リハビリを経て頭も体もしっかりしていますが、最近は足の動きが悪く不便を感じているとのこと。そんな状況の中、ご自身でわざわざ携帯ショップまで足を運んで契約を見直そうとされていました。その姿勢には頭が下がります。
しかし携帯ショップで光回線の乗り換えを勧められ、ついでに携帯電話までスマートフォンに変更させられてしまいました。Uさんの意図とはまったく違う契約内容になっていたのです。
「もっと早く相談してくれればよかったのに」と少し説教をしましたが、「もうわかった、ごめん、松尾くん」とUさんは謝ってくださいました。本来お客様が無理をしなくて済むようにすべきだったと、わたし自身も反省しました。契約の見直しを無償でお手伝いすることにしました。
第1回訪問:通帳を確認すると不要な契約が次々と見つかる
翌週、Uさん宅に出張しました。通帳を確認して整理すると、以下の項目が引き落とされていました。NTTの回線料、NTT回線の付加サービス、プロバイダの接続料、プロバイダの付加サービス、ドコモの通話料、ドコモの通信料、ドコモの付加サービス、その他。
まずプロバイダ関連から整理することにしました。契約内容のIDとパスワードが書かれた書類が残っていたので、それをもとにBiglobeの契約情報を確認しました。契約内容は「接続料金+WiMAXモバイルサービス」のみで、ウイルス対策ソフトや保証サービスは契約していませんでした。
でも毎月5,000円弱の引き落としがされています。なぜでしょうか。
調べると、プロバイダの接続料は900円(税別)と安いのですが、使用していないWiMAX2+の月額料金が3,995円(税別)も発生していました。合計すると毎月4,964円のプロバイダ料が引き落とされていたのです。
Uさんは先月Docomo光に契約変更していましたが、WiMAXは約2年前から契約していたことが判明しました。計算すると約103,550円を無駄に支払っていたことになります。WiMAXを使ったのは入院中の1日だけだったそうです。

103,550円です。入院中の1日だけ使ったWiMAXのために。
すぐにその日付で解約しました。解約手続きは本人しかできないため(Biglobeは配偶者でも不可)、ご夫婦そろって在宅いただいた上でカスタマーサポートに電話しました。手続き自体はスムーズでしたが、違約金9,500円は発生しました。完全に違約金ビジネスです。
それでも毎月のプロバイダ料金は4,964円から900円に減額されました。

ただし解約確認の電話でBiglobeの担当者からしつこい営業を受けました。「WiMAXが使えなくなり通常の光回線のプロバイダに切り替わります。これで従来のインターネットが使えなくなりますが、本当に解約して大丈夫ですか?」という言い方です。
詐欺ソフトの警告画面と同じ構造です。不安を煽って解約を思いとどまらせる。目が悪くてIDが見えないと嘆いている高齢のご夫婦に対して、ロボットのように「本当に解約して大丈夫ですか?」と強い口調で言い続ける。知識のない方なら不安になって解約をやめてしまうでしょう。こういう仕事は仕事とは言えません。
第2回訪問:無料でもらったと思っていたタブレットに契約がついていた
プロバイダの整理が終わったので、次は携帯電話関連の確認です。Uさんが「無料でもらった」というタブレットを確認してみると、4Gの表示があり、SIMカードが挿入されていました。試しにYahoo!を開いてみると普通にインターネットが使えます。
回線が生きているということは、契約が続いているということです。

調べると、ドコモショップの店員が設定したと思われるアカウントが登録されていました。Uさんは2台とも無料で手に入れたと思い込んでいましたが、実際には契約が存在して月々の通信費が発生していたのです。
Docomo光の契約を勧めながら、必要のないタブレットを2台も契約させていた可能性があります。しかもUさんは以前に解約しようと店舗へ行ったものの、説明がうまくできずに追い返されていたとのことでした。

タブレット2台のデータプランは月額約3,000円×2台で毎月6,000円が無駄に引き落とされていました。しかも解約すれば違約金も発生する可能性があります。端末は未使用なのに違約金まで払わなければならない。理不尽です。

誰が得をしているのか
今回の件を整理します。
ショップ側はマニュアル通りに営業した結果、無駄な契約を取ることができました。お客様はまさかそんなことはしないだろうと信じた結果、不要な契約を結ばされました。
ショップ側は「売れたけど後味が悪い」。お客様は「騙された気分で無駄なお金を払い続ける」。誰が得をしているのでしょうか。一部の企業のステークホルダーだけです。
脳梗塞のリハビリを終えて、足が不自由な中わざわざ店舗まで出向いたUさんが、結果として不要な契約を増やされて帰ってきた。これが現実です。
契約の見直しで気をつけるべきこと
今回のUさんのケースから学べることがあります。
「無料」には必ず裏があります。タブレットを無料でもらったつもりが、月々の通信料が発生していました。無料という言葉を聞いたら、逆に疑ってください。
解約しようとして店舗に行くと、逆に契約を増やされて帰ってくることがあります。Uさんは解約しようとして行ったのに、スマートフォンへの機種変更と光回線の契約変更をさせられていました。
毎月の通帳の引き落とし内容を定期的に確認してください。何に払っているかわからない引き落としがあったら、すぐに確認することが大切です。Uさんのように2年間気づかなければ、それだけの金額が消えていきます。
インターネットや携帯電話の契約見直しはパソコン本舗にご相談ください。通帳を持参いただければ、何にいくら払っているかを一緒に確認して、不要な契約を整理します。


