書くのも嫌な気分になりますが、正直に書きます。
「パソコンが壊れたけど、加入している保険を使いたいので、見積書に落雷・雨漏り・地震が原因と書いてもらえませんか」という依頼が、3ヶ月に1回ほどあります。
「嘘でもいいので書いてくれませんか」と頼んでくるお客様がいます
お断りしています。理由は単純で、証明ができないからです。
仮に黒焦げのパソコンが持ち込まれたなら「落雷の可能性がある」と言えるかもしれません。ただ、本当にそんな状態なら、パソコンより先に建物と人の被害を心配すべき状況のはずです。実際に持ち込まれるのは、外観に異常のない普通の故障品です。落雷でも雨漏りでも地震でもなく、経年劣化や物理的な損傷が原因であることがほとんどです。
事実と異なる内容を見積書に記載することは、保険会社への虚偽申告です。依頼する側だけでなく、記載した店側も不正に加担したことになります。当店がお断りするのは、きれいごとではなく、そういうリスクを負えないからです。
依頼してくるのが若い方だけとは限りません
若いお客様であれば、「保険会社の立場を考えてほしい」「修理店にそういう依頼をすること自体、相手に失礼になる」という話をすることもあります。ただ、熊本で名の通った会社の社長さんから、同じ依頼をいただいたことがあります。肩書きや年齢に関係なく、こういった依頼はあるのだという現実があります。
やっかいなのは、依頼してくるお客様のほとんどが悪意を持っていないことです。「保険が下りればそれでいいじゃないか」という感覚なのだと思います。でも、保険とはそういうものではありません。正当な理由がない請求を通すことは、結果として保険料の値上がりや制度の崩壊につながる行為です。
パソコンの故障で保険が使える場合について
誤解のないようにお伝えすると、パソコンの故障で保険が適用されるケースは実際にあります。火災保険の「不測かつ突発的な事故」特約や、落雷による損害は補償対象になる場合があります。ただしその場合も、修理店が発行できるのは「故障の状態」と「修理内容・金額」を記載した見積書です。原因の断定は、保険会社と加入者の間で判断されることであり、修理店が証明できる内容ではありません。正直に状況を保険会社に伝えた上で、補償の可否を確認するのが正しい順序です。
このような依頼をされたお客様とは、今後お取引をお断りしています。きれいごとかもしれませんが、当店はそういう店です。


