※この記事は過去の修理事例を、2026年8月にリライトしました。
令和8年熊本地震が発生した後、八代で電気屋を営む社長さんに電話をしました。
八代市は今回の地震で特に被害が大きかった地域です。工場や住宅が倒壊し、多くの方が犠牲になりました。社長さんは無事でした。お店も大丈夫とのことでした。ほっとしました。
電話を切った後、そういえばこの社長さんに過去、こんなことがあったなと思い出しました。
数年前のことです。
「ウイルス駆除をお願いしたいんですが…」と、社長さんが困った顔でご来店されました。パソコンを見せてもらうと、ワード、エクセル、パワーポイント、写真。すべてのファイルがMP3という音楽ファイルに書き換えられていました。ダブルクリックしても何も開きません。仕事の書類も、何年もかけて溜めた釣りの写真も、全部です。
ランサムウェアです。
データを人質にとって金を要求するウイルスです
「元に戻してほしければ金を払え」と要求してくるウイルスです。普通のウイルスなら駆除してパソコンを元に戻せることがほとんどです。ランサムウェアは違います。ウイルスを駆除してもデータの暗号化は解除されません。鍵を持っているのは攻撃者だけです。
つまり、バックアップがなければ終わりです。
社長さんにバックアップはありますか、と聞きました。
ありませんでした。
感染の原因を聞きました
「最近、変なものを開きましたか」と聞くと、心当たりがないとのことです。毎日どんなサイトを見ているか聞いてみました。
ネットニュース。釣りの情報。そして、たまに、色気のあるサイトも。
「たまに」の部分で少し声が小さくなっていました。
わたしは何も言いませんでした。そういうサイトには不正広告が仕込まれていることが多く、クリックしなくてもページを開いただけで感染することがあります。心当たりがないのは当然です。本人が気づかないように感染するのがランサムウェアです。
でも心当たりはありそうでした。
今回はデータが戻りました
ランサムウェアに感染してデータが戻るケースは多くありません。でも今回は、あるアプローチを試したところ、データを復旧することができました。釣りの写真も、仕事の書類も、全部戻りました。
「もうダメかと思いました」と社長さんの声が弾みました。
よかったですね、と言いながら、わたしはひとこと付け加えました。
「色気のあるサイトは控えた方がいいですよ」
社長さんの顔が、やばっ、という表情になりました。
地震より怖いものがあることを、社長さんはこの日学んだと思います。
ランサムウェアに感染しないために
Windowsのアップデートを後回しにしないことが基本です。ウイルス対策ソフトを入れてください。バックアップを取ってください。外付けHDDかクラウドに定期的に保存しておけば、感染してもデータを取り戻せます。
感染に気づいたらすぐにLANケーブルを抜いてネットワークから切断して、そのままの状態でご相談ください。自分でいろいろ操作すると、復旧できた可能性がある部分まで消えることがあります。
身代金は絶対に払わないでください。払ってもデータが戻る保証はありません。
あと、色気のあるサイトは控えてください。釣りの写真は戻りましたが、社長さんの尊厳は戻りませんでした。
ランサムウェアの感染・ウイルス駆除はパソコン本舗にご相談ください。

