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10年間ずっと断り続けた乗り換え勧誘。それでも220円で切り捨てられた話

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定型文は止めよう 修理

※この記事は2023年に書いたものを、2026年5月にリライトしました。

メールが突然使えなくなったと、お客様からご相談がありました。

10年以上同じプロバイダを使い続けているお客様です。

この10年、いろいろなことがあったと思います。引っ越しのときも、パソコンを買い替えたときも、このメールアドレスを使い続けた。他のプロバイダからの乗り換え勧誘の電話がかかってきても断った。「今より安くなります」「速くなります」という営業トークを何度も聞きながら、それでもここでいいと思って断り続けた。

トラブルがあったときは、つながりにくいサポートセンターに何度も電話した。保留音を聞きながら待ち続けた。それでも解決できないときは、わたしのような修理屋に相談しながら、このプロバイダを使い続けた。

詳しい人間から見れば「なぜ変えないのか」と思う場面が何度もあったはずです。でも契約した会社に対して、真っ当に付き合い続けてきた。それが10年です。

その10年に対して、プロバイダが返したのが以下のメールでした。

220円の未払いで、10年が終わっていました

7月分の利用料220円が未払いのため、8月末でサービス停止、9月末で契約終了。未払い料金については法律事務所に債権の管理を委任したので、今後はそちらへご連絡ください。

220円です。

法律事務所の債権回収部門が動いています。平日9時から21時、土曜も対応しているそうです。220円のために。

確認の電話は一本もありませんでした。「お支払いが確認できていないのですが、いかがでしょうか」という連絡は一切ありませんでした。定型メールが届いて、次に届いたのは法律事務所への委任通知です。その間に人間が判断した形跡がどこにもありません。

10年以上使い続けてくれた顧客への敬意がどこにもない。

このメール、詐欺メールと見分けがつきません

問題はもうひとつあります。

このプロバイダからのメールを見て最初に感じたのは、迷惑メールと見分けがつかないということです。「法律事務所に債権を委任しました」「お支払いが確認できなかった」「今すぐご連絡を」。これは詐欺メールの典型的な文言と構造が同じです。不安を煽って、電話させようとする。

正規のプロバイダが送ってくるメールが、詐欺メールと同じ文体になっている。普段から「怪しいメールは無視してください」とお客様に伝えているわたしとしては、正規のメールを「これは本物ですよ」と説明しなければならない状況が生まれています。

なぜこうなったのか。人間が書いた文章ではなく、定型文をシステムが送り続けた結果です。誰かが「これは怪しく見えないか」と確認していれば、こういう文体にはならなかったはずです。

長年の顧客をどう扱うかが、その会社の本質を表します

わたしは一人でやっています。長年来てくれているお客様に何か問題があれば、まず電話します。当たり前のことです。10年以上のお付き合いがある方なら、なおさらです。220円の問題なら、電話一本で終わる話です。

なぜ大企業はそれができないのか。顧客が数十万人、数百万人になると、一人ひとりを見ることができなくなる。だからシステムで管理して、定型文で対応する。効率化の結果として、顧客へのリスペクトが消えていく。

でもわたしは全部見えます。10年来てくれているお客様の顔も、事情も、使い方も知っています。規模が小さいことが強みになる場面が確実にあります。これがその典型例です。

定型文に頼り続けた企業がAIに仕事を奪われています

顧客対応を定型文とシステムに任せ続けた企業の仕事が、今AIに置き換えられています。

正直に言います。ざまみろと思っています。

人間がやるべき判断を定型文に任せ、顧客一人ひとりを見ることをやめた。その仕事はAIで十分だということになった。速くて安くて正確なら、人間がやる意味はない。自分たちが作り上げた環境が、自分たちの首を絞めています。

ただ問題は、その影響が関係のない人たちにも及んでいることです。失業者が大量に発生するという現実は、こういった企業が積み上げてきた判断の末にあります。顧客対応をシステムに丸投げし、人件費を削り続けた。その先に今の状況があります。反省してほしいと思います。本気で。

そして最後に吐き捨てます。こういう対応をする企業には、わたしのお客様にかかわらないでほしいと思っています。10年以上使い続けてくれた顧客を220円の未払いで機械的に切り捨てる企業が、お客様のためになるとは思えません。

プロバイダのメールが突然使えなくなった場合はパソコン本舗にご相談ください。原因を調べて、次に何をすべきかお伝えします。