※この記事は2015年に書いたものを、2026年5月にリライトしました。
NPO法人を設立したことがあります。
定款の作成から法務局への申請まで、すべての手続きを自分でやりました。仕事の合間にです。修理の予約が入っている日の朝に書類を準備して、昼の空き時間に市の窓口に行って、夕方にはまた修理をしている。そういう生活をしながら設立しました。
パソコン詐欺やネット被害に遭う人を減らしたかった。熊本で困っている人を一人でも助けたかった。それだけの理由です。補助金の申請方法など、最初から調べる気もありませんでした。
市の支援センターに行ってきました
NPO法人を設立したので、熊本市の「あいぽーと」というNPO支援センターに行ってみました。仕事の合間を縫って、車で。
セミナーが開催されていました。内容は補助金の申請方法、助成金の探し方、行政との連携のしかた。ほぼそれだけです。
参加者の方々はみなさん熱心に聞いていました。志を持って設立された方々だと思います。でも話の内容がほぼ全部「どこからお金をもらうか」という話でした。自分たちで稼ぐという発想が、どこにもありませんでした。
わたしはパソコン修理屋です。お客様からお金をいただいて、その対価として仕事をする。それが当たり前だと思っています。でもこの場所では、その感覚が通じない雰囲気がありました。
電車で帰りながら、なんか違うなと思っていました。
書類に「やばい」と書かれた付箋が貼ってありました
市の窓口での話をひとつ書いておきます。時効だと思いますし、今は担当者も変わっているでしょうから書きます。
提出した書類に、付箋が貼ってありました。「やばい」と書いてありました。市の担当者が書いたものです。窓口で対応してくれた方が、その付箋に気づいて、親指でさっと隠しました。
パソコン修理屋がNPO法人を設立する。補助金も申請しない。行政との連携もしない。市の仕事も受けない。そういう団体は「やばい」のかもしれません。
でも考えてみると、補助金をもらわない、税金の世話にならない、自分たちで活動資金を稼ぐという団体が「やばい」と判断されるのは、どういう基準なのか。逆に何をすれば「やばくない」のか。聞いてみたかったです。
税金チューチューの実態は、中にいるとよくわかります
NPO法人の代表をやってみて、税金チューチューと言われる実態がよくわかりました。
悪意のある人たちばかりではありません。でも仕組みとして、補助金を申請することが活動の中心になりやすい構造があります。補助金をもらう→活動報告を出す→また補助金をもらう。このサイクルが回り始めると、本来の目的より「いかに補助金を継続してもらうか」が優先されていく。
志があって設立した団体でも、気づけばそうなっていることがある。外からは見えにくいですが、中にいるとよく見えます。
わたしは補助金を一切もらいませんでした。市の仕事も受けませんでした。その結果、支援センターでは「やばい」と付箋を貼られる団体になりました。なかなか面白い結果です。
3年で解散しました
結論として、法人化しても意味がないという結論が出ました。補助金をもらわない、市の仕事も受けない、行政との連携もしない。そういう活動をするなら、法人格がなくても同じことができます。むしろ法人維持のための手続きや費用が余計な負担になっていました。
3年で解散して、株式会社に変更しました。
50代になった今、たまにこう思うことがあります。あのとき補助金をチューチューしておけばよかったな、と。NPO法人を誰かに売却しておけばよかったな、と。売却は違法ですけど。
でも今は借金もなく、家族を養えています。まあよかったのかもしれません。
志がある人は他人のお金に頼らないでほしい
最後に言わせてください。
志があって何かを始めようとしている人に伝えたいことがあります。他人のお金、つまり税金に頼らず、自分の腕と仲間でやり遂げてほしいと思っています。補助金は楽に見えますが、もらった瞬間から「報告義務」と「継続のための活動」が始まります。気づけば補助金を守ることが目的になる。
自分で稼いで、自分で判断して動く。それだけが本当の意味での自由だと思っています。わたしは付箋に「やばい」と書かれた団体の代表でしたが、その経験も含めて、今も同じことを思っています。
パソコンやネットのトラブルでお困りの方はパソコン本舗にご相談ください。


