※この記事は2019年に書いたものを、2026年5月にリライトしました。
50代の男性がご来店されました。経営者の方と思われます。「パソコンがだんだん遅くなって、ついに起動しなくなりました。中のデータは必要です」とのことでした。
機種はDell Inspiron N5110です。
HDDをSSDに交換するだけのはずでした
診断してみると、HDDの経年劣化が原因でした。SSDに交換してデータを移行すれば解決します。作業としてはシンプルです。ただし、この機種には大きな問題があります。
HDDの取り付け部分が、マザーボードの裏側にあります。
つまり、HDDにアクセスするためにマザーボードを完全に取り外さなければなりません。マザーボードを取り外すということは、ヒートシンク、ファン、各種ケーブル、コネクタ類をすべて外す必要があります。外す部品の数が多ければ多いほど、組み直すときにミスが起きる可能性が上がります。コネクタの差し忘れ、ケーブルの断線、ネジの締めすぎ。どれかひとつミスがあれば、別の問題が発生します。
SSDの交換作業なのに、ほぼ全分解に近い作業です。他の機種なら30分で終わる作業が、この機種では数時間かかります。
当店の料金は作業難易度に関係なく一律です
当店のSSD交換の料金は、作業の難易度に関係なく一律です。簡単な機種でも、今回のような全分解が必要な機種でも、同じ料金です。
作業しながら、これは変えるべきかなと真剣に思いました。
30分で終わる作業と、数時間かかる作業が同じ料金というのは、技術に対して正直ではない気がします。壊すリスクも、かかる時間も、使う集中力も、まったく違います。それでも同じ料金で受けているのは、お客様にわかりやすい料金体系を維持したいからです。ただ、今回のような機種を担当するたびに、この方針を続けていいのか自問します。
正直に話したら喜ばれましたが、値段は渋られました
作業が完了して、お客様にこの話を正直にしました。「この機種はマザーボードを全部外さないとHDDにアクセスできなくて、他の機種より何倍も手間がかかりました」と。
お客様は「正直だね」と笑顔で言ってくれました。
でも値段は渋られました。
経営者の方なら、手間とリスクに見合った対価という考え方はわかるはずです。でも実際に支払う立場になると話は別なのかもしれません。正直に話すことと、正当な対価をいただくことは、また別の話です。これが商売の難しさだと、改めて感じた一件でした。
Dell N5110のSSD交換・データ移行はパソコン本舗にご相談ください。


