Windows Updateの一時停止が、今後はもっと自由になるかもしれない、という話が出ています。いままでは「最大5週間」という止め方でしたが、今後はカレンダーで再開日を指定できる方向らしいです。
「お、便利になった」で終わる人もいると思います。でも、パソコン業界を長く見ている側からすると、そこでは終わりません。むしろ、そこまでしないといけないくらい、Windows Updateが信用されなくなったという話でもあります。ここが本題です。
毎日のようにアップデートのトラブル対応をしている修理屋として、この話には思うことがあります。
毎日アップデートしなくていい。これは初心者ほど伝えています
うちの店に来るお客様、特にパソコン初心者の方や高齢の方ほど、アップデートの通知が出るたびに即座に実行してしまいます。「更新しろと言われたから」「通知が邪魔だから消したかった」という理由で。
その結果、プリンターが動かなくなった、起動しなくなった、メールが変になった、と持ち込まれる。これが週に何件もあります。
だから私はお客様に言い続けています。毎日アップデートしなくていい。むしろアップデートするリスクのほうが何倍も高い場合がある。これは脅しではなく、現場で毎日見ている現実です。
セキュリティのために更新は必要です。でも配信されたその日に即入れるのと、1〜2週間様子を見てから入れるのとでは、リスクが全然違います。初心者のお客様ほど、この感覚を持っていただきたい。
昔のアップデートは”善”で、今のアップデートは”賭け”
本来、アップデートは善です。セキュリティ修正を入れる、不具合を直す、機能を改善する。理屈は正しいです。Microsoftの説明としても当然そうなります。
でも現場はそうきれいではありません。更新したら起動しない、印刷できない、共有が切れる、メールが変になる、ソフトが急に不機嫌になる、設定がどこかへ飛ぶ。毎回ここまでひどいとは言いません。ただ、ユーザー側に「更新は大事だが、今すぐ入れたいわけではない」という気持ちが強くなったのは事実です。これはサボりではありません。自己防衛です。
修理屋から見ると、更新トラブルは珍しくも何ともない
パソコン修理をしていると、Windows Updateは敵でも味方でもなく、ただの「事故要因の一つ」です。放置しすぎは論外ですが、「配信されたらすぐ入れても安心」とも言えません。ここを混ぜるとダメです。
実際の現場はそんなに上品ではありません。古いプリンターが妙なバランスで生きている、会計ソフトが古い部品の上で成り立っている、NASは導入した人がもういない、ルーターは誰が触ったか不明、OneDriveの同期が本人も理解できていない。この状態で大型更新や不具合更新が来ると、そりゃ揉めます。
だから修理屋としては、更新するなではなく、更新のタイミングを選ばせろと思うわけです。それが今回の話の本質です。
最大5週間という数字が、そもそも中途半端だった
5週間と言われても、微妙です。短いのか長いのかもよくわからない。月末月初は経理で触れない、決算前は止めたくない、出張サポート予定が多い週は触りたくない、旅行前に自宅PCを壊したくない。こういう現実があるのに「はい5週間までです」では、現場からすると雑です。
カレンダーで再開日を選べるほうが、よほど筋が通っています。これは単なるUI改善ではありません。Windows側が、ようやく人間の生活を少し見始めたというだけの話です。遅いですが、ないよりはマシです。
個人ユーザーも、もう”待つ技術”が必要
停止できるようになる=ずっと止めていい、ではありません。更新を止めすぎると、今度はセキュリティ面で別の地雷を踏みます。だから必要なのは、止める技術ではなく、待って入れる技術です。
配信当日は様子を見る、不具合情報を確認する、仕事が詰まっている日は避ける、余裕がある日に更新する。このくらいで十分です。0か1で言えば、何も考えず即入れるのも、永遠に止めるのも、どちらも危ない。現実的に強いのは、少し待って、自分で日を決めて入れるです。
まとめ
Windows Updateの一時停止が、今後もっと柔軟になるかもしれない。一見すると小さなニュースです。でもパソコン業界の流れとして見ると意味があります。アップデートは善だが即適用が常に正義ではない、現場は理想環境ではなく継ぎ足し運用の集合体、自動化だけでは事故を避けきれない、最後は人間が止める日・入れる日を決めるしかない。
つまり今回の話は、Windowsが少し賢くなったというより、Windowsがようやく現場の面倒くささを認め始めたと見たほうがしっくりきます。
Copilotが増えるより、壊れる日をずらせるほうが、普通の人には役に立ちます。本当にそうです。アップデートで困ったときは、パソコン本舗にご相談ください。


