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NEC・富士通・dynabookはもう日本メーカーじゃない|修理屋が選び方を解説【2026年版】

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NECノートパソコン 修理

※この記事は2025年3月に作成した内容を、2026年4月にリライトしました。

先日、60代のお客様から「日本製のパソコンを買いたいんです。富士通かNECで迷っています」とご相談をいただきました。これまで何十年もNECや富士通を使ってこられて、今回も日本製で安心したいというご希望でした。

残念ながら、この記事でお伝えしなければならない事実があります。2026年現在、NECも富士通もdynabookも、いわゆる「日本メーカー」ではなくなっています。気づかないうちに、日本のパソコンメーカーの大半は外資の傘下に入りました。

この記事では、主要メーカーが今どこの傘下にあるのか、それを踏まえて何を基準に選べばいいのかを、16年間パソコン修理をやってきた修理屋の目線でお伝えします。「日本製のパソコンが欲しい」とお考えの方に、判断材料として読んでいただければ幸いです。

→参考 がんばれ日本のPCメーカー
→10年前に書いた記事 NECパソコンは日本製じゃない

1. 熊本ではNEC信仰が特に根強い

私は修理屋として独立する前、東京・大阪・福岡でパソコンの販売と修理に携わっていました。そして現在は熊本で営業しています。日本各地で仕事をしてきた経験から言うと、熊本は特にNECを信頼されるお客様が多い地域です。

理由はおそらく、熊本にNECの大きな工場があったことが関係しています。地元に工場があるというだけで、「NECなら間違いない」という信頼感が何十年にもわたって根付いてきました。これは熊本固有の文化と言っていい現象です。

同じように、「日本製だから安心」「富士通は日本の技術」「東芝のdynabookは昔から使っている」という声も、ご来店のお客様からよく聞きます。こうしたブランドへの信頼は、長年パソコンを使ってきた方ほど強い傾向があります。

ただ、この信頼は2026年現在の実情と少しズレています。以下、主要メーカーの現状を整理します。

2. 主要PCメーカーの親会社構造(2026年4月時点)

① NEC(LAVIEシリーズ):Lenovo傘下

2011年にNECとLenovoが合弁会社「NECレノボ・ジャパングループ」を設立し、以降NECのパソコン事業はLenovo傘下で運営されています。家庭用の「LAVIE」シリーズはLenovoの技術を活用し、一部モデルはLenovoのOEMです。法人向けの「VersaPro」は日本での開発・生産が中心ですが、家庭用モデルの内部構造はLenovo製のノートPCと非常によく似ています。

② 富士通(LIFEBOOK/FMV):Lenovo傘下だが独自色あり

2018年に富士通のPC事業は「富士通クライアントコンピューティング(FCCL)」としてLenovo傘下に入りました。株式保有比率はLenovo 51%、富士通 44%、日本政策投資銀行 5%。富士通本体も44%を保有しており、NECと比べると日本側の経営関与が残っています。生産は子会社の「島根富士通」で継続されていて、国内生産にはこだわりが見られます。

③ dynabook(旧東芝):シャープ傘下、事実上は鴻海傘下

2018年10月にシャープが東芝のPC事業を80.1%取得し、2020年8月には完全子会社化しました。そしてシャープ自体が台湾の鴻海精密工業(Hon Hai/Foxconn)の傘下です。つまりdynabookは「東芝→シャープ→鴻海」という資本構造で、実質的には台湾系メーカーと言えます。「dynabookは日本メーカー」というイメージは、もう実態と合いません。

④ VAIO(旧ソニー):ノジマ傘下(2025年〜)

2014年にソニーから独立してVAIO株式会社となり、2025年1月6日に家電量販店のノジマが約112億円で買収しました。本社および製造拠点は長野県安曇野の安曇野工場で、純国産PC製造を継続しています。社名・経営陣・ブランドはすべて維持されていて、日本で設計・製造している数少ないメーカーです。

⑤ Let’s note(パナソニック):パナソニックコネクト傘下

2022年4月のパナソニック持株会社制移行に伴い、Let’s noteは「パナソニックコネクト株式会社」が販売する体制になりました。親会社はパナソニックホールディングスで、外資ではない純国産メーカーです。神戸工場での自社生産を継続し、米軍調達基準MIL規格に準拠した耐久性試験をクリア。2025年国内ビジネス向けウルトラポータブルPC市場でシェアNo.1を獲得しています。価格は高いですが、壊れにくさは一頭地を抜いています。

⑥ Dell・HP(米国系):国内シェアも拡大中

DellとHPはどちらも米国に本社を置くメーカーです。製造拠点は海外が中心ですが、HPは国内組立モデルもあります。2024年の国内PC出荷シェアはDellが14.6%で3位、日本HPも公共分野・大手企業でシェアを拡大中です。内部構造はシンプルで分解しやすく、修理屋の目線では扱いやすい印象があります。

3. メーカー別の親会社・製造拠点一覧

メーカー親会社製造拠点主な強み
NEC(LAVIE)Lenovo(中国)Lenovo中心国内サポート体制、知名度
富士通(LIFEBOOK)Lenovo 51%/富士通 44%/DBJ 5%島根富士通(国内)日本設計・国内生産、独自キーボード
dynabook(旧東芝)シャープ(鴻海傘下)シャープグループ堅牢性、法人・教育市場に強い
VAIOノジマ(日本)安曇野工場(国内)純国産、ビジネス向け高付加価値
Let’s noteパナソニックHD(日本)神戸工場(国内)MIL規格の耐久性、軽量長時間バッテリー
DellDell Technologies(米国)海外カスタマイズ性、分解しやすい構造
HPHP Inc.(米国)海外(国内組立モデルあり)デザイン性、幅広いラインナップ

4. 修理屋として断言:メーカーで故障率は変わらない

「どのメーカーが壊れにくいですか?」というご質問もよくいただきます。16年間の修理経験から断言します。メーカーによる故障率の差は、ほぼありません。

理由は単純です。どのメーカーのパソコンも、中に入っている部品はほぼ同じだからです。マザーボード、CPU、メモリ、SSD、液晶パネル、Windows OS。これらはIntelやAMD、Samsung、LG、Microsoftといった共通のサプライヤーから調達されています。外装のデザインや組み立て工場は違っても、中身は横並びです。

「〇〇メーカーの修理依頼が多い」という話はよく聞かれますが、それは売れた台数が多いメーカーだから修理依頼も多いだけです。人気機種が多く出回っている以上、壊れた台数もそれだけ多く見えるのは当然です。私の実感として、特定のメーカーが突出して故障しやすいということはありません。

つまり「日本製だから壊れにくい」「海外製だから壊れやすい」という判断基準は、2026年現在ではあまり意味を持ちません。

5. 私がお勧めしているのはDellの14/16インチ

では実際に当店では何をお勧めしているか。男女問わず、私はDellの14インチまたは16インチモデルをお勧めしています。理由はいくつかあります。

  • 価格と性能のバランスが良い:同じスペックで比較すると、日本ブランドより3〜5万円安いのが一般的です。
  • 内部構造がシンプル:修理や分解がしやすく、長く使う場合のメンテナンス性に優れています。
  • 法人実績が豊富:日本の多くの企業や官公庁でも採用されており、業務用としての信頼性は実証済みです。
  • 14インチは持ち運びと作業性のバランスが最適:家で使うにも、出先で使うにも無理がない画面サイズです。
  • 16インチは据え置き用途に最適:目が疲れにくく、老眼が気になり始めた方にも優しいサイズです。

もちろん、これは絶対的な正解ではなく、私の経験に基づく推奨です。VAIOやLet’s noteのように国内で設計・製造しているメーカーに強いこだわりがある方は、そちらを選ぶのも良い選択です。ただ、その場合は価格が倍近く変わることを覚悟してください。

6. まとめ:ブランド名より「用途」と「修理相談先」で選ぶ

16年間の経験からお伝えできる、パソコン選びの基準は3つです。

  • ブランド名より「何に使うか」で選ぶ:インターネットとメールだけなのか、仕事でExcelを使うのか、動画編集をするのか。用途が決まれば、必要なスペックも予算も絞れます。
  • 買う前に「修理する場所」を考える:ネット通販で安く買っても、壊れたときに誰に相談するかが重要です。近所に相談できるお店があるかどうかで、パソコンを使い続けられる期間が変わります。
  • 「日本製」にこだわるなら、国内工場で作っているメーカーを選ぶ:本当の意味で国内生産しているのは、富士通(島根)、VAIO(安曇野)、Let’s note(神戸)くらいです。ブランド名ではなく、工場の所在地で判断してください。

冒頭の60代のお客様には、結局Dellの14インチモデルをご提案しました。「日本製じゃないけど、中身はどのメーカーも同じです。価格も2〜3万円安く、うちでも修理対応できます」とお伝えしたところ、ご納得いただけました。

熊本のパソコン本舗では、用途・予算・お使いになる方の経験値をお聞きした上で、最適な1台をご提案しています。買い替えをご検討中の方は、お気軽にご相談ください。