「オークションで買ったグラボが動かなくて」と、30代くらいの男性がやってきた。話を聞くと、動くかどうかわからないジャンク品をオークションで買うのが趣味だという。なかなか個性的な趣味です。
持ち込まれたグラフィックボードの症状は複数あった。ファンの異音、画面のノイズ、表示の乱れ、負荷をかけると画面が消える──典型的なジャンク品の症状が一通り揃っている状態です。オークションでジャンク品に近い品を買うのは、こういうリスクがあります。「安く買えた」と思っても、修理費を含めると結局高くついた、というパターンはよくある話です。
リフローを試してみたが、ダメだった
正直に言います。グラフィックボードの修理は、わたしが100%直せる保証ができる作業ではありません。基板上のチップやハンダに問題がある場合、専門の設備がなければ対応できないことがある。
ただ、今回の主な症状は画面に縦線が入るというものでした。これは運がよければ「リフロー」という作業で改善できる可能性があります。リフローとは、基板を加熱してハンダを一度溶かし直す処理です。温度・距離・時間の管理が必要で、手順はわかっています。
お客様にリスクと成功率をお伝えした上で了承をいただき、作業を実施しました。結果は、ダメでした。症状は改善しませんでした。
できないときはできないと言います。無理に続けてさらに状態を悪化させるより、早めに判断してお伝えするほうがお客様のためになります。今回もその判断です。
余談ですが、水冷クーラーがずいぶん進化しました
今回の作業中、店内で稼働している業務用PCの水冷システムをお客様が興味深そうに見ていました。
昔の水冷はリスクがありました。水漏れが起きると周辺パーツへの被害が大きく、静音が売りのはずがしばらく使うと結局うるさくなる、という製品も多かった。それが今は違います。静粛性が長続きする、コンパクトで取り回しやすい、そしてしっかり冷える。昔の水冷のイメージで敬遠している方には、一度見直してほしいと思っています。
ラジエターが大きいのでケースを選ぶ点は今も変わりませんが、それ以外の弱点はほぼ解消されています。
当店の業務用PCは水冷システムを実際に稼働した状態でご覧いただけるよう配置しています。「水冷って実際どんな感じ?」と気になる方は、ご来店ください。グラフィックボードの修理・診断のご相談もお気軽にどうぞ。


