今回は少し珍しいトラブル事例をご紹介いたします。実際にご相談いただいた内容で、「同じような症状でお困りの方がいるかもしれない」と思い、ブログにまとめました。
お客様からのご相談は、
「なぜか30分後に必ずパソコンの電源が落ちてしまう」
というもの。
聞いた時は「電源設定やソフトの不具合かな?」と予想していましたが、実際の原因は思いもよらないところにありました。
◆ 症状の再現テスト
まずは店内でお預かりして検証開始。YouTubeを流しっぱなしにして様子を見ていたところ…確かに約30分後にパソコンが突然シャットダウン。毎回同じタイミングで電源が落ちるのです。
電源設定、スリープ、部品の接触不良…ひと通り見直しましたが、改善せず。
「もしかして…もっと根本的な原因かも?」と思い、次に試したのが…
◆ BIOS画面での待機テスト
Windowsやアプリの影響を除外するため、今度はOSを起動せずにBIOS画面で30分放置してみました。すると、BIOS上でもやはり27~28分後に電源が落ちる…。
これで、ソフトウェアではなく、ハードウェアやBIOSに原因があると確信できました。
◆ BIOSアップデートで改善
実は過去にも「一定時間後に電源が切れる」というトラブルで、BIOSのアップデートが効果的だったケースがありました。
今回は、BIOSのバージョンが2.08と少し古め。念のため、メーカーサイトから最新版(2.09)をダウンロードし、慎重にアップデートを実施。
アップデート完了後は「ピッピッピッ…」というビープ音とともに自動で再起動され、Windowsが無事に起動。
結果――
今までのような強制シャットダウンはピタッと止まり、見事に安定動作するようになりました!
◆ 原因とまとめ
BIOSの不具合はそこまで頻繁に起きるものではありませんが、今回のようにCPUとマザーボードの微妙な相性問題や、初期ファームウェアのバグが関係することもあります。
トラブル解決までに時間はかかりましたが、「原因がわからないまま交換対応」ではなく、きちんと問題を突き止めてから対応できたことで、お客様にも安心していただけました。
「30分後に落ちる」という不思議な症状に遭遇した際は、設定や部品だけでなく、BIOSの見直しも選択肢の一つとして覚えておくと良いかもしれません。