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1,000円のUSBに入っていたのは、1,000円じゃ取り戻せないデータだった

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USBはすぐ折れる パソコン豆知識

大学の先生が、うちに青い顔でやってきた。

話を聞くと、ノートパソコンを机から落下させてしまったらしい。USBメモリを差したまま落としたせいで、USBがポキッと折れてしまったとのこと。

慌てて確認したが、パソコンにUSBを差しても認識しない。画面にはドライブが表示されない。「壊れた……?」と気づいた瞬間から、どんどん顔色が悪くなったそうだ。

先生のUSBメモリ、値段は1,000円もしない安物だった。でも中に入っているデータは、1,000円では到底聞かない大切なもの。おそらく講義資料、研究データ、学生の成績……どれが入っていたかはわからないけれど、顔色だけで十分わかった。「これはまずいやつだ」と。

保存媒体として考えると、USBメモリはつくづく割に合わない道具だと思う。本体は安くて気軽に使えるのに、中身は何万円出しても取り戻せない情報が入っていたりする。リスクとコストが完全に釣り合っていない。

さて、折れたUSBを顕微鏡で観察してみると、折れていたのは電源部分だった。これはラッキーな壊れ方だ。データを記録しているチップ自体は無傷。電源部の断線を修復してあげれば、認識する可能性が高い。

先生にご来店いただいたその場で、作業を開始した。折れた電源部を丁寧につなぎ直し、PCに差し込んでみると……ドライブが表示された。ファイルも見える。開いてみると、ちゃんと読める。データのコピーも問題なし。

念のため、別の新しいUSBメモリにデータをすべてコピーしてから、先生に納品した。

先生の顔色が、みるみるうちに戻っていった。そしてにっこり笑った。こっちもにっこりした。よい仕事だった。


USBメモリは「一時的な持ち運び用」と割り切って使う

今回は電源部の破損だったので現場修理で済んだが、もしチップ本体が割れていたら話は変わっていた。チップを基板から取り出して専用機器で読み取る作業になり、費用は数万円単位。それでも確実に読めるとは限らない。

USBメモリは構造上、差し込み口に力がかかりやすい。ちょっとぶつけた、引っかけた、それだけで折れる。安いものほど筐体が薄くてもろい。

大事なデータの長期保存先として、わたしが勧めるのは次の2択だ。

  • 自宅保管派:外付けHDDを2台用意して同じデータを保存する(RAID1構成)
  • 手間を省きたい派:MicrosoftのOneDriveやGoogleドライブなど、大手の有料クラウドサービス

クラウドは手軽だが、個人情報や機密情報をそのまま保存するのはリスクがある。何を入れるかだけは気をつけてほしい。

USBメモリは「今日だけ持ち運ぶ」「一時的にコピーする」その用途に限って使うのが正解だ。長期保管には向いていない。そもそも寿命もある。書き込み回数の上限があって、古くなると突然読めなくなることもある。

「USBに入ってるから大丈夫」という安心感が、一番怖い。

データ復旧のご相談は、パソコン本舗までどうぞ。折れたUSB、認識しないUSB、まずは見せてください。