「パソコンが遅くなったから、新しいのを買おうと思って」
毎週のように、こういうお客様が来ます。20代から60代以上まで、全世代。話を聞くと、15万円、20万円の新品パソコンをすでに買ってきた方もいる。思わず「もったいない」と口から出そうになるのをぐっとこらえながら、話を聞きます。言えないけど。
遅くなった原因は、パソコン本体ではありません
パソコンが遅くなる原因のほとんどは、HDD(ハードディスク)の劣化です。HDDは機械的に動く部品で、寿命の目安は約5年。それを過ぎると読み書きの速度がどんどん落ちていきます。そしてある日突然、前触れなく壊れる。
壊れたら最後、データが取り出せなくなる可能性が高い。家族の写真も、仕事のファイルも、何年分かのデータが消えます。パソコン本体のCPUやメモリは、5年前でも今でも性能はそう変わりません。劣化しやすいのはHDDだけです。
SSDに交換する=新品パソコンを買うのと同じです
HDDをSSD(ソリッドステートドライブ)に交換すると、パソコンは見違えるように速くなります。起動時間が5分から30秒以下になることもある。しかも中のデータや設定をそのまま移行できるため、使い勝手はまったく変わりません。
これが重要です。パソコンに疎い方や高齢の方にとって、環境が変わらないというのは非常に大きいメリットです。新しいパソコンを買うと、設定のやり直し、ソフトの再インストール、データの移行、使い方の変化──覚えることが一気に増えます。SSD換装なら、それが一切ありません。いつも通りの画面が、ただ速くなって返ってくる。
費用は3〜4万円。新品パソコンの15〜20万円と比べてみてください。
ただし、HDDの状態が悪いと話が変わります
データをそのまま移行できるのは、HDDがまだ生きている間だけです。HDDの劣化が進みすぎていると、クローン作業ができず、クリーンインストールになります。その場合、ソフトの再インストールや設定のやり直しが必要になる。データ自体は取り出せますが、環境を復元する手間がかかります。
だから早めが大事です。「遅くなったな」と感じ始めた段階が、一番スムーズに対処できるタイミングです。完全に壊れてからでは、データすら取り出せない可能性がある。
新品を買う前に、一度相談してください
「新しいパソコンは高い」という昭和世代の先入観がまだ根強く残っています。確かに昔は高かった。でも今は3〜4万円でほぼ新品同様の速さに戻せます。大手量販店に持ち込むと「買い替えたほうがいいですよ」と言われる。それが彼らの仕事だから仕方ない。でも修理屋としては腹が立ちます。
パソコンの寿命は10年くらいあります。遅くなったのはHDDだけの話です。新品を買う前に、一度パソコン本舗に持ち込んでください。見てから判断します。


