※この記事は2022年に書いたものを、2026年4月にリライトしました。
年に1回あるかないかの依頼が来ました。嘘を書いてくれ、という依頼です。
SNSのメッセンジャーで突然メッセージが来ました。4年ほど前に当店で中古パソコンを購入されたお客様です。それ以来ご縁がありませんでした。久しぶりに連絡が来たと思ったら、内容がこれです。
「修理不能証明書を発行してほしい」
依頼の内容はこういうものでした。「廃盤商品で部品の流通がないため修理不能、と証明書に書いていただけますか。保険が下りたら修理する予定です」
読んで、しばらく画面を見つめました。
このパソコン、基板交換で直ります。修理不能ではありません。それを知りながら修理不能と書いてくれということです。保険金を詐取するための嘘の証明書を書けということです。
これは刑法上の詐欺です。法定刑は懲役10年以下です。軽い気持ちで頼んでいるのかもしれませんが、犯罪です。
私を舐めているとしか思えません
さらに腹が立つのは、来店する様子がまったくなかったことです。メッセージのやり取りだけで嘘の証明書を手に入れて、新しいパソコンは別の店で買う計画のように見えました。
4年ほど前に3万円以下で買った中古パソコンを、どういう内容で保険会社に申請するつもりだったのでしょうか。購入金額も購入日も、すべて嘘を書かなければ成立しない話です。偽の領収書まで要求してくる雰囲気もありました。
当店に対して失礼というより、完全に舐められています。嘘の証明書を書かせて、修理も別の店でやって、新しいパソコンも別の店で買う。当店には証明書だけ書かせればいい、という算段です。16年間この仕事をしてきて、なめるにもほどがあると思いました。
なぜこういう依頼が来るのか
コロナ禍に補助金や助成金をもらいすぎて、公的なお金をもらうことへの感覚がまひしてしまった方が増えたと思っています。「少しくらいいいだろう」という感覚です。でも保険金詐欺は「少しくらい」では済みません。懲役10年以下の犯罪です。
2021年にも同じような依頼がありました。保険詐欺の依頼は定期的に来ます。世の中にこういうことを考える人間が一定数いるということです。
当店は嘘は書きません
はっきり書きます。当店は嘘の証明書は書きません。どんな理由があっても、どんな状況でも、書きません。
修理できるものを修理不能と書くことは、保険会社への詐欺行為に加担することです。わたし自身も共犯になります。依頼した本人だけでなく、書いたわたしも犯罪者になります。そういう話です。
もし保険会社がこういった不正を把握していれば、詐欺の疑いで連絡することもあります。依頼した方は当店への信用だけでなく、社会的な信用をすべて失うことになります。
修理不能証明書が必要な場合は、当店に持ち込んでください。実際に診断した上で、本当に修理不能であれば正直に書きます。修理できるものは修理できると書きます。それだけです。
パソコンの修理・診断・証明書の発行はパソコン本舗にご相談ください。嘘は書きませんが、本当のことは誠実に書きます。


