「丁寧に掃除したのに、なぜ壊れるんでしょう…」
先日、そんなご相談でお客様がご来店くださいました。
パソコンの内部クリーニングをご自身でされたところ、電源を入れても起動しなくなってしまったとのこと。
拝見してみると……ぴっかぴか。
購入から6〜7年が経つとは思えない美しさです。ビデオカードも、コネクタ部分も、新品同様の状態。「ここまで綺麗にできるものか」と感心するレベルでした。
お話をお伺いすると、エアーダスターでホコリを吹き飛ばしたのではなく、ブラシとウエスで丁寧に拭き取り、さらに水まで使って仕上げたとのこと。
気合の入れ方が、完全にキッチンのシンクでした。
気持ちはよくわかります。汚れていれば徹底的にきれいにしたくなるのは当然です。ただ、パソコンの内部に関しては、「丁寧にやるほど危ない」という場面があります。今回がまさにそのケースでした。
なぜブラシや布はダメなのか
ブラシや布でパソコン内部を拭くと、目に見えないほど細かい繊維くず(綿くず)が基板(マザーボード)の上に残ります。これが電気の通り道に入り込むと、ショートの原因になります。
布巾で食器を拭いたとき、光に透かすと細かい繊維がついているのを見たことはないでしょうか。基板の上で起きるのは、あれと同じことです。ただ、電気が流れているという点が決定的に違います。
さらに、ブラシで軽くこすっただけでも、基板上の小さな部品(コンデンサ)を傷つける恐れがあります。今回はおそらく、この「ブラシによるダメージ」が原因でした。
水については、言うまでもなく厳禁です。完全に乾いていても、水分が残っていれば通電した瞬間にアウトになります。
正しいクリーニング方法はシンプルです
パソコン内部の掃除は、基本的にこれだけです。
- 電源を切り、コンセントを抜く
- エアーダスター(缶タイプでOK)でホコリを吹き飛ばす
- 触る場合は断熱手袋を着用する(静電気対策)
ブラシも布も水も使いません。「吹き飛ばすだけ」が正解です。物足りなく感じるかもしれませんが、それで十分です。
今回の修理結果
お客様のパソコンはドスパラで購入されたi5搭載の自作機でした。マザーボードの交換が必要でしたが、チップセットで対応できる構成だったため、比較的安価に修理が完了しました。
丁寧にやろうとしたのに、結果的に修理費用が発生してしまう。これが一番もったいないパターンです。
パソコン内部の掃除をお考えの方は、「エアーで吹き飛ばすだけ」を徹底してください。それ以上はプロに任せていただいた方が、結果的に安くつきます。


