愛知県で「青切符制度を悪用した詐欺」が起きました。自転車に乗っていた70代の男性が、警察官を名乗る男2人に「手信号をしないのは違反です」と声をかけられ、その場で反則金名目として現金5万円をだまし取られた事件です。
手口の細部が巧妙です。「警察官2名だから2万5千円ずつ支払え」という言い方で、合計5万円を要求しています。2人いるから2人分、という計算を押しつけることで、金額への疑問を持たせにくくしています。その場の雰囲気と数字の根拠をセットで出してくる。焦っていれば疑えません。
これを読んで、すぐに思い出したことがありました。
42万円を振り込んだ後、正気に戻って来店されました
当店に来られた80代のお客様の話です。パソコンを使っていたら突然警告画面が表示され、画面に書いてあった電話番号に電話してしまいました。電話口のサポートスタッフに言われるままにリモートソフトをインストールして接続を許可したところ、「ウイルスが8個入っています。1個消すのに6万円かかります。合計42万円を振り込んでください」と言われ、振り込んでしまいました。
振り込んだ後、少し時間が経って正気に戻り、当店に来店されました。
助けようがありませんでした。お金はすでに相手の口座に入っています。リモート操作の痕跡は残っていましたが、お金は戻りません。できたのは、パソコンの安全確認と、二度と同じ被害に遭わないための説明だけでした。
「株で損したと思えばいいか」
だまされたと気づいたときのお客様の第一声が、「まあ、株で損したと思えばいいか」でした。
正直に言います。こりゃまた詐欺にかかるな、と思いました。42万円の被害を「株の損失」と同じ感覚で処理できる方は、痛みの受け取り方が違います。悔しさや怒りが薄い分、次に同じ状況になったとき、また同じ判断をしてしまいやすい。詐欺師はそういう方を何度でも狙います。
青切符詐欺とサポート詐欺、構造は同じです
今回の青切符詐欺と、パソコンのサポート詐欺は、手口の構造がまったく同じです。特に共通しているのが「掛け算で金額を正当化する」という点です。警官2人だから2.5万円ずつで合計5万円、ウイルス8個で1個6万円だから合計42万円。どちらも単価×数量という計算式を出すことで、金額に根拠があるように見せています。
計算式があると人は疑いにくくなります。「なぜその金額なのか」という疑問より先に、「確かにそう計算できる」という納得が来てしまう。詐欺師はそこを正確に狙っています。権威を装い、焦らせて、計算式で納得させる。この3点セットが両方の詐欺に共通しています。
共通する対策も同じです。その場で判断しないこと。お金を払う前に誰かに相談すること。計算式が出てきたら、むしろ疑うくらいでちょうどいいです。
焦らせてくるのは、焦らせないと払わないとわかっているからです。焦った瞬間が一番危ない。
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