「うちの子に限って」は最も危険な呪文だ。修理屋が見た中学生のパソコンの中身
修理屋をやっていると、見たくないものを見てしまうことがある。
今年の2月のことだった。中学生の子供さんとお母さんがパソコンを修理に持ってきた。画面が映らなくなった、というよくある依頼だった。
パソコンを起動する。画面は問題なく映った。
ただ、中身が問題だった。
フォルダを開いた瞬間、思わず画面から目を逸らした。1TBのハードディスクに約800GB。普通のご家庭のパソコンとは、まったく違う中身だった。内容はここには書けない。ただ「普通のアダルト動画」ではない、と言えば察してもらえるだろうか。
お母さんはすぐ横に座っていた。
この事実を、このお母さんに伝えるべきか。私は数秒考えた。
結論として、直接は言わなかった。遠回しには伝えたけれど。守秘義務もある。そして何より、このお母さんがショックを受ける顔を想像したら、どうしても言葉が出なかった。
「パソコンのことはよくわからなくて」
このセリフを、修理屋として何百回聞いてきたかわからない。悪気はまったくない。本当に知らないだけだ。
でも子供も同じで、悪気はないのだ。「このくらい、みんな見てるし」という感覚で800GBを溜め込んでいる。親子揃って悪気がない、では済まないことがある。それが今のインターネットの現実だ。
「フィルタリングしてるから大丈夫」は正直、甘い。
フィルタリングは有効だ。ないよりはるかにマシだ。ただ、完全ではない。検索1ワードで、大人でも吐き気がするような映像に辿り着ける世界が、今のインターネットだ。フィルタリングをくぐり抜ける方法を、子供たちはあっさり見つける。
では何をすればいいか。
答えは一つだけだ。
「パソコンやスマホで子供が何を見ているか、親が把握できる状態にしておくこと」
難しい操作は要らない。Windowsには「ファミリー機能」という無料の仕組みがある。子供用のアカウントを作るだけで、閲覧履歴・使用時間・アクセスしたサイトが親のスマホから確認できる。設定は30分もあればできる。
やり方がわからない方は、当店に持ってきてもらえれば設定します。
最後に一つだけ。
「うちの子に限って」という言葉を、修理屋として何度聞いてきたか。
その言葉が出るお母さんほど、子供のパソコンの中身を見たことがない。そしてその言葉が出るお母さんのお子さんほど、修理で持ち込まれたパソコンの中に、見てはいけないものが入っていた。
16年間、熊本でパソコン修理をやってきた経験則として断言する。
「うちの子に限って」は、最も危険な呪文だ。


