「壊れにくいと思うノートパソコンのメーカー」ランキング! 2位「NEC」、では1位は?という記事を見て、「は?」と思いました。
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私はパソコンの販売・修理をこの業界で25年以上やっています。壊れたパソコンを毎日のように見てきた立場からひとつ言わせてください。
こういうランキング記事は、メーカーと無関係なところが作っているとは限りません。
広告収入やタイアップで成り立っているメディアが「○○メーカーは壊れにくい」と書いても、それは耐久性のデータではなく、イメージと関係性の話です。鵜呑みにする前に、少し立ち止まってほしいのです。
NECと富士通は、今もLenovoのOEMです
これは業界では常識ですが、一般にはほとんど知られていません。
個人向けのNEC「LAVIE」も富士通「FMV」も、製造はLenovo傘下の子会社が担っています。NECはNECパーソナルコンピュータ(NECPC)、富士通は富士通クライアントコンピューティング(FCCL)。どちらもLenovoグループです。
つまり、「NECが壊れにくい」と言っているのは、実質「Lenovoが壊れにくい」と言っているのと変わらない。それでも「NEC・富士通ランキング上位」が成立するのはなぜか。理由は三つあります。
① 日本語サポートが充実しているから「壊れにくい」と感じる
実際には壊れても、修理対応が丁寧で速ければ「壊れにくいメーカー」という印象になります。これは耐久性の話ではなく、サービスの話です。
② 法人向けモデルの品質が個人向けに混同されている
法人モデル(VersaProやLIFEBOOKシリーズ)は国内品質管理が厳しい製品もあります。ただし、それは一部の製品の話。個人向けモデルに同じ基準は当てはまりません。
③ 「昔の国産PC」のイメージがそのまま引き継がれている
製造がLenovo傘下になる前の印象が、今も「壊れにくい」という認識として残っているだけです。製品の実態ではなく、過去のブランドイメージで評価されています。
では、実際に耐久性で選ぶなら?
修理現場の経験から言うと、壊れにくさという観点で候補になるのは以下のモデルです。
- Panasonic(Let’s note):国内生産・高耐久設計。ただし価格は高い
- Lenovo(ThinkPad TシリーズまたはXシリーズ):法人向け設計で実績あり
- DELL(Latitudeシリーズ):法人向けに堅牢設計。修理実績が多く構造も把握している
- HP(EliteBookシリーズ):ビジネス向けに堅牢設計
- Apple(MacBook):筐体の作りは良い。ただしパーツ入手性が低い
NECと富士通の個人向けモデルが、これらと比較して特別壊れにくいというデータは私は見たことがありません。
まとめ:ランキング記事を見たら、まずここを確認してください
- 誰が書いたのか(メーカーとの関係は?広告収入で成立しているメディアではないか)
- 何を根拠にしているのか(ユーザーの印象か・実測データか)
- 個人向けか法人向けか(同じブランド名でも、まったくの別製品です)
パソコンは毎日使う道具です。25年間、パソコンの販売と修理を見続けてきた人間の意見として参考にしてもらえれば。


