パソコンを買い替えようとするとき、スペックの数字や店員のすすめだけで選んでいませんか。修理の現場に16年いると、「これは最初から売れるわけがない」と思う製品や、「なぜこれを買ってしまったのか」という持ち込みが定期的にあります。買う前に知っておくべきことを、現場の視点で書きます。
「売れるわけがない」と現場も分かっていたはずの製品
少し前の話ですが、東芝がメガネ型端末「Wearvue TG-1」という製品を発売しようとしたことがありました。結果は発売中止です。
価格は216,000円。ケーブル接続で、予備バッテリーが必要で、製品説明のイラストはどう見ても昭和のハイキング風。開発した現場の人も、上司も、イラストを描いた人も、「こんなもの売れるわけがない」とわかっていたはずです。
同じ時期、東芝の法人向けノートパソコンは堅調に売れていました。現場が求めているものと、会社が作りたいものがずれていた典型例です。修理店の立場から言えば、「メーカーが力を入れている製品」と「実際に長く使われている製品」は必ずしも一致しません。
修理現場から見た、失敗しないパソコンの選び方
16年間の修理経験をもとに、実際に「買って失敗した」と持ち込まれるパターンと、逆に長く使われているパターンをまとめます。
失敗パターン① 安すぎるパソコンを買った
3〜4万円台のノートパソコンは、処理速度が遅すぎて日常使用に耐えられないことが多い。インターネットを開くだけで数分かかる、Wordが固まるといった状態になり、結局数年で使えなくなって持ち込まれます。安く買って早く壊れるより、適切な価格のものを長く使う方が総コストは低い。用途がメール・インターネット・Word程度であれば、6〜8万円台が現実的な最低ラインです。
失敗パターン② スペックだけ見て用途を考えなかった
「CPUが高性能だから大丈夫」と思って購入したものの、画面が小さすぎて使いづらい、重くて持ち運べない、テンキーがなくて数字入力が不便、というケースが多くあります。スペックの数字より、自分の使い方に合っているかどうかの方が重要です。
失敗パターン③ 量販店の展示品を見た目で選んだ
展示品は画面の明るさや起動速度が最大設定になっています。実際に家で使い始めると「なんか遅い」と感じるケースがあります。展示で見た動作と、自宅での実際の動作は異なります。
長く使われているパソコンの共通点
修理で持ち込まれる中で、「10年近く使っている」という機種には共通点があります。NECのLaVie・富士通のLIFEBOOK・東芝のdynabookといった国内メーカーの法人向けモデルです。設計が堅牢で、部品の入手がしやすく、サポートが日本語で受けられる。派手な機能はないですが、壊れにくくて長く使えます。お子さんへの入学祝いや、高齢の親御さんへのプレゼントにもこの系統を勧めることが多いです。
買う前に確認してほしい6つのこと
- 何に使うか 用途が決まればスペックの最低ラインが決まります。
- 誰がどのくらい使うか 毎日8時間使うのか、週数回だけかで耐久性の基準が変わります。
- 持ち運ぶかどうか 持ち運ぶなら軽さと画面サイズのバランスが重要です。
- テンキーが必要かどうか 数字入力が多い方にはテンキーありが必須です。
- 予算の下限を決める 「安ければ安いほどいい」は失敗の入口です。
- メーカーのサポート体制 困ったときに日本語で対応してもらえるかどうかは、初心者ほど重要です。
「何を買えばいいかわからない」という方は、用途だけ教えていただければ適切な機種をご提案します。難しい話は一切しません。お気軽にご相談ください。


