WindowsXPのパソコン修理依頼でお客様がご来店された。
パソコンを受け取って、まずCrystalDiskInfoでHDDの状態を確認する。修理屋としての習慣だ。画面を見て、思わず声が出た。
使用時間:100,488時間。
のべ11年半だ。
パソコン業界に入って以来、これだけ長い使用時間のHDDは見たことがなかった。創業以来の記録だ。思わず画像を保存した。
HDDの寿命は5年と言われている
現在、お客様にHDDの寿命を聞かれたときは「5年」と答えている。それが業界での一般的な目安だ。5年を超えたら交換を勧める。データのバックアップを取っておくように伝える。
でもこのHDDは11年半動いていた。5年の倍以上だ。しかも健康状態は「正常」のまま。温度も25℃と安定している。シークエラーレートに若干の値は出ているが、これだけ使えばむしろ当然だ。
このHDDはSeagate製のST380815AS、80GBだ。WindowsXPの時代のモデルだ。このころのHDDは品質が高かった。今のHDDと比べると、製造コストのかけ方が違ったのかもしれない。
古いメーカーが生き残る理由
SeagateもWestern Digitalも、どちらも古いメーカーだ。HDDの歴史の中で消えていったメーカーは数えきれない。Quantum、Maxtor、IBM(DTLA)、Samsung HDD部門……。それでも長く生き残っているメーカーには、相当の品質と技術の積み重ねがある。今回のHDDが11年半動いていたことは、その証明の一つだと思う。
新品SSDに交換したが、正直不安もある
今回は新品のSSDに交換した。速度は格段に上がった。起動時間も短くなった。お客様も喜んでくれた。
でも正直に言う。
故障率で考えると、新品SSDの方がよっぽど不安だ。
SSDは突然死することがある。前触れなく、ある日突然認識しなくなる。HDDは壊れる前に異音・遅延・エラーなどの兆候が出ることが多い。でもSSDは何の前兆もなく逝く。しかも最近のSSDは製造コストを下げた廉価品が増えている。11年半動いたあのHDDより、最新の安価なSSDの方が先に壊れるケースは珍しくない。
速度と引き換えに、予測不能な壊れ方をするリスクを抱えている。それがSSDだ。
結論:バックアップだけは必ずやってほしい
HDDでもSSDでも、壊れるときは壊れる。11年半動いたHDDは奇跡に近い。でも同じことを期待してはいけない。
大切なデータは必ず別の場所にバックアップしておいてほしい。外付けHDD・クラウド・USBメモリ、何でもいい。2か所以上に保存しておけば、1台壊れても大丈夫だ。
あの11年半動いたHDDの中には、お客様の大切なデータがたくさん入っていた。無事に救い出せてよかった。でもいつまでもこういう結末になるとは限らない。


